北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記 - 記事一覧
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| 発行日時 | 見出し |
|---|---|
| 2026.01.21 |
極寒の蔵で、希望を仕込む
![]() 大寒波到来。 日本中が悪天候に見舞われていましたが、釧路はほとんど雪が降りませんでした。 日本海側の蔵では、雪かきをしながらの酒造りで大変だろうな、と想像します。 とはいえ釧路も十分に寒く、気温は-10℃以下。 このくらい冷え込んでくると、蔵にも暖房器具(ストーブ)が登場します。 全国のお蔵さんでは「冷やす」作業をしている中、 弊社では逆に暖房をつけて仕込みをしています。 すごく寒い日には、窓にこんな氷のアートが現れます。 泊まり込みの作業中に見ていると、朝方3時を過ぎた頃から 徐々に模様が浮かび始め、5時から6時頃に完成します。 ただ、みんなが出勤し始めて釜のお湯を温め、 作業が進むころには、いつの間にか消えてしまうことがほとんどです。 そんな極寒の季節に仕込む大吟醸酒。 洗米も過酷な条件から始まります。 この窓のある場所は氷点下にはならないものの、 ほぼ0℃に近い気温の中での洗米です(屋外ではありません)。 どんなに防寒していても、地面から伝わる冷たさは防ぎきれず、 足先の感覚がなくなりそうになることもあります。 さて、大吟醸酒の仕込みシーズン 泊まり組は日々、麹と向き合いながら 今年の米質に頭を悩ませています。 私たちが思い描く理想の麹に、なかなか仕上がらない。 水分のコントロール、タイミング、 今できる工夫を一つずつ試しながら、 過去の経験も踏まえて麹担当とディスカッションし、 次の作戦を練ります。 この場面で頼りになるのが五感です。 香りを嗅ぎ、麹を噛みしめたときの味わい、 硬さやそこから感じる水分量、触り心地。 出来の良かった年の麹と比べながら、 「なぜ今はこうなっているのか?」 「麹になったつもりで考えると、今はどんな状況だろう?」 そんな話を重ねていきます。 担当者と考え方(提案する手法)が食い違うこともあります。 それでもお互いに良いと思う方法を提案し合い、 「今回はそちらの案で行こう」と決め、 可能性の芽を一つずつ探していきます。 挑戦できる機会は決して多くありません。 だからこそ、今できることは今やる。 限られたチャンスの中で、少しでも良いものを目指します。 今日は泊まりの日ではありませんが、 夜遅くまで作業が必要になりそうです。 これで良い方向に結果が出れば、 改善の兆しが見えてきます。 それは私たちにとって、確かな希望の光です。 あきらめて良い結果が出たためしはありません。 やって駄目なら、そこではじめて諦めがつく。 そう言って「やりましょう」と背中を押してくれる メンバーに、今日も感謝です。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.01.20 |
五色彩雲って何?
日本酒を取り巻く環境は、刻々と変化しています。
正直に言えば、 「いい方向に動いている」と胸を張って言える状況ではありません。 むしろ厳しさが増している、と言った方が現実的でしょう。 ただ、その厳しい状況に適応できた酒蔵だけが残っていく。 それもまた事実なのだと思います。 私が大学に入った頃も 「酒蔵が減っている」という話はすでにありました。 それでも当時は、国内に約2,000蔵ほどあったと記憶しています。 ところが国税庁の清酒製造場の統計を見ると、 2023年時点で約1,117場。 今後も減少は続き、将来的には1,000場前後になるだろうとも言われています。 一方で、海外に目を向けると状況は逆です。 2022年時点で、海外の現地醸造蔵は約50〜60軒(15〜20カ国)。 海外事情に詳しい方の中には、 将来的に200蔵規模まで増えるのでは、という見方をする人もいます。 かつて日本酒は「日本人のための酒」でした。 しかし今は、「日本の文化としての酒」へと変わりつつあります。 飲み方も、価値の置かれ方も、確実に変化しています。 米の価格高騰、気候変動による米質の変化。 日本酒を取り巻く環境は、複合的に変わり続けています。 この変化のスピードに、私たちはついていけるのか。 取り残されてしまわないか。 100周年を迎えた頃、 そんな漠然とした不安を強く感じるようになりました。 だからこそ必要なのは、 変化が起きてから動くのではなく、 変化を察知し、先に手を打つ力だと思っています。 どんな変化が起きるかは分かりません。 それでも、予測できる変化に対して行動した蔵だけが、 次の時代に残っていけるのではないでしょうか。 そして、その行動の中で 次の時代を担う造り手を育てることができたなら──。 それが、五色彩雲の始まりだったと思います。 五色彩雲のキャッチコピーは 「仕込んでいるのは、100年先の地酒です。」 100年先がどうなっているかなんて、正直わかりません。 でも、今とは少し違う世界になっているはずです。 100年も経てば、なおさらです。 五色彩雲でやっていることは、 今はまだ大きな問題として扱われていない 小さな違和感や課題を軽視しないこと。 そこに真剣に向き合い、 得られた技術や考え方が、 将来の福司を支える力になればいい。 そんな思いで、試験を重ねながら可能性を探っています。 福司が地域の地酒だとしたら、 五色彩雲は「北海道の地酒」でありながら 世界に通用する酒質を模索するラインです。 例えば── 山廃シリーズは、クラシカルな日本酒の造りで、 燗にしたときの旨味を大切にしています。 伝統や文化を重んじる、日本酒らしさのアプローチです。 Ashiriは、酸によるアプローチ。 日本酒とは異なるペアリングを想定し、 日本の食材以外との相性も視野に入れています。 Jiriは、ナチュラルワインのように 柔らかく、酸がありながら調和し、 するする飲める、身体への負担が少ない酒質を目指しています。 なぜ「日本酒の基準」に合わせた酒質設計をしていないのか。 それは、新しい価値を生み出すことも 日本酒の未来に必要だと考えているからです。 日本国内では、どうしても 「日本酒の物差し」で酒質が評価されます。 それ自体は、当然のことです。 しかし海外では、そうはいきません。 もし今後、日本国内での消費が減り、 海外での消費が増えたとしたら── 評価軸は必ず変わります。 経済的に日本が今ほど豊かでなくなったとき、 海外市場に支えられる場面も出てくるかもしれません。 そのとき、今までと同じ酒だけで勝負できるでしょうか。 もし、 米を原料にしながらも 驚くほどトロピカルな酒や、 ワインのような酒が造れたとしたら。 その技術は、 次の日本酒の時代を切り開くかもしれません。 今使われている酵母の多くも、 かつては一つの蔵に住み着いていたものを 分離・培養したものです。 新政が「6号酵母の蔵」と言われるのも、 時代の変化の中で取り組み続けてきた結果でしょう。 私が「強い」と感じる蔵は、 派手に語らずとも、 静かに技術を蓄積しています。 技術の蓄積と、売上や規模は必ずしもイコールではありません。 五色彩雲は、いわゆる“バカ売れ”する銘柄ではありません。 将来進むべき道を探すための銘柄です。 そしてその技術は、すでに役立ち始めています。 「いつか役に立てば」と思っていた研究が、 実際にはすでに現場で活躍している。 もしかすると、 福司ではそれが“当たり前の技術”になる日も来るかもしれません。 かつて、大吟醸酒を造ることが 技術研鑽の場だった時代がありました。 その技術は今や、多くの蔵で共有されています。 五色彩雲は、 今の大吟醸に代わる、 次の技術を突き詰めるための銘柄なのだと思っています。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.01.19 |
私たちは毎年ピカピカの一年生になる
酒造りは「感覚」を養う仕事
大吟醸酒の泊まり込みでの麹づくりが始まりました。 もう何年も、同じ産地・同じ品種・同じ精米歩合の米を使っています。 それでも毎年、感覚は一から。 「酒造りは毎年一年生」と言われる理由は、まさにここにあります。 もちろん、これまでに積み重ねてきたデータはあります。 しかし、まったく同じ条件で酒を造れる年など、まずありません。 過去の経験の中から「一番近い年」を探し、 その感覚を呼び起こして対応する—— 現実的にできるのは、それしかないのです。 たった1%の違いに気づけるか 毎年、原料米の分析値が届きます。 産地から来る数値も年ごとに微妙に違い、 その差は大きくてもせいぜい1%前後。 でも、そのたった1%の違いに気づけるかどうかで、 酒の仕上がりは大きく変わります。 現場ではこの数字自体変化がなくても違うと感じるほど 逆に言えば、 その違いに気づけなければ—— 「作業をしているだけ」になってしまう。 数字は共通言語。判断は五感。 分析値や比率は、できる限り数値化しています。 ただしそれは、あくまで共通認識のための数字。 現場で判断を下すための“最終解答”ではありません。 酒造りで向き合っているのは、 米粒ではなく、その中にある分子の動き。 さらに言えば、生き物の代謝という世界です。 当然、数字だけで測り切れるものではありません。 だからこそ、 数字を信じすぎると、痛い目を見ることがある。 数字は「状況を整理する道具」であって、 判断そのものは、五感が担います。 そしてその五感を育てるために、 また数字が必要になる——この繰り返しです。 高級酒ほど、五感を総動員する 大吟醸酒の仕込みでは、五感をフル稼働させます。 ●洗米時の割れ方や変化 ●米を潰したときの指先の感触 ●蒸米の香り ●口に含んだときの味 ●蒸し後、時間経過による手触りの変化 ●麹を口に含んだときの硬さ、崩れ方 ●麹の味や手触りの変化 ●醪の香り、味 ●発酵音や泡の表情 ●醪を口に入れたときの蒸米の硬さ これらの微細な違いが分かるようになって、ようやく一人前。 毎日観察し、 昨日との違いに気づけなければ、 見えない変化は一生見えません。 悔しさが、感覚を育てる 「この時間で、この硬さ」 「この香りなら、次はこう動く」 五感で感じた情報を頼りに、 過去のデータを思い返し、 先回りして対応する。 それができるようになるまでに、 正直、たくさん悔しい思いをしてきました。 でも、その悔しさこそが、 感覚を蓄積してくれます。 デジタル化の先に、必ず人が必要になる デジタル化は、これから必ず必要です。 ただし同時に、米質も気候も変化していきます。 そのとき、データを更新し続ける“基準”となる人間が 必ず必要になる。 もし将来、 人工の太陽や人工の雨雲が作れるようになれば話は別ですが—— 原料米ですら、国産が当たり前でなくなる時代が来るかもしれません。 そうなれば、今までのデータは再検証が必要になります。 大事なのは、そのデータを意味あるものとして蓄積できる「人」です。 酒造りに必要なのは、研ぎ澄まされた何か この五感を、どこまで研ぎ澄ませられるか。 ドラゴンボールで言えば「気」。 ハンターハンターで言えば「念」。 少し大げさかもしれませんが、 酒造りにも、確実にそれに近いものが必要だと感じています。 一見すると、毎日同じことを繰り返しているように見える酒蔵の仕事。 でも、毎日が同じではないことに気づいたとき、 世界は一段深くなります。 そのためには、一見変化のないものと向き合い続け、 違いを感じ取る訓練を積むしかありません。 その積み重ねの先にしか、 見えない世界があるのだと思います。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.01.16 |
いよいよ明日発売 派手じゃない。でも、ちゃんと進化している。
いよいよ明日発売となる、しぼりたて生酒。
先ほど瓶詰めされたものの一部を利き酒しました。 製造側としては、まずまずの仕上がり。 いくつかの改善点が、良い方向に作用していると思います。 香りはかなりフルーティーで、 甘さも少し感じますが、もたつくことはなく、 アルコールの重さもあまり感じない軽やかな飲み口です。 原料や精米歩合、規格を踏まえても、 今年のチャレンジは成功と言っていいのかな、という印象です。 ……とはいえ、それが市場の評価とどうつながるかは、正直わかりません(笑)。 細かな部分は詳しく書けないのですが、 原料価格の高騰により、今年は少し造りを変えている部分があります。 そこも考慮したうえで仕込みを工夫し、 角のある印象の酒質に丸みをだしたいなと思い、やや手間をかけました。 結果的に、酒質に柔らかさが出てくれたと思いますし、 香りも例年より高め…な気がしています。 また、今年はお酒や酵母に、できるだけストレスをかけないことを強く意識しました。 吟醸系の仕込みは福司でも数が多いわけではなく、 ここ数年でようやくポイントをつかめてきた、という段階です。 そのポイントも、比較を重ねる中で見えてくるもの。 福司のように、再現性が極端に高い設備ではない環境だからこそ、 逆にわかることがある、という側面もあります。 とはいえ、近年は設備も少しずつ更新され、 再現性は確実に高まってきています。 これもまた、ポイントを洗い出すうえでは重要な要素です。 レギュラー酒と吟醸系の仕込みでは、 発酵させる際の環境設定や、酵母の性質が大きく異なります。 「同じ日本酒だから同じでいい」というわけではありません。 酵母が“どう暮らせるか”という環境づくりが、とても大事なんですよね。 今年のしぼりたては、Ashiriの技術を応用し、 疑似的に大吟醸酒に近い環境を再現しています。 大吟醸酒と同じ方法をそのまま用いれば、 コストも手間も大きくかかってしまいます。 知識と経験を活かしながら、 どこでバランスを取るか。 そこが今回の仕込みの肝でした。 しぼりたて生酒は複数本仕込んでおり、 それぞれ条件を変えて造っています。 どの条件が一番、大吟醸酒の設定に近く、 なおかつ酒質として良いかを試験しました。 また、仕込み時期の環境(天候)にも恵まれたと思います。 昨年はまだ気温が高く、仕込みにかなり苦労しましたが、 今年は仕込み期間中に室温・外気温ともに 10度を下回る日が何日かあり、 安定した管理ができたことも大きな要因です。 今年のしぼりたては、人によっては 「軽い」と表現されるかもしれません。 醸し屋としては、飲み疲れせず、 すいすい杯が進む酒を目指した設計なので、 「狙ってそうしています」としか言えません(笑)。 とはいえ、実は酸度は昨年よりも、ほんの少しだけ高くしています。 するっと飲めるけれど、薄っぺらくならない。そんなイメージです。 数年前の純吟のような、味の太さが好きな方もいると思います。 ただ、近年の温暖化による米質の変化を考えると、 そこを安定して狙い続けるのは、なかなか難しくなってきています。 溶けないので……。 それでも「あの味が好きだ」という方がいたら、ぜひ声を上げてください。 私たちに届くのは、上げてくれた声だけです。 もう一つの視点として、 今回は地元を意識した酒質でもあります。 「しぼりたて」というフレッシュなお酒を、 地元目線で仕上げてみました。 活性酒が白子の天ぷらだとしたら、 しぼりたては白子ポン酢が合いそうです。 あとはタラの昆布締めとか。 タラの肝和えは……これは活性酒の方が合うかな。 もしおいしいペアリングを見つけたら、 ぜひSNSで教えてください。 週末からは、出品用大吟醸酒の麹つくりが始まります。 期間は10日ほど。 エネルギーを温存しつつ、集中力を切らさないよう、 今月末まで頑張りたいと思います。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.01.15 |
立ち止まるのも勇気としった、酒造りの技術
酒蔵の製造部に、年末年始も実は「完全な休み」はありません。
仕込みが止まっていても、醪はタンクの中で生きているからです。 その昔は、年末ぎりぎりまで仕込みを行い、年明けすぐにまた仕込みを始めていたと聞きます。 今年は30日から休み、6日から仕込み再開というスケジュールでしたが、 その間も当番制で蔵に足を運びます。 当番の仕事は、醪の撹拌とサンプル採取、そして分析。 その数値をもとに、年末年始も変わらず醪管理を続けます。 ここ数年は、タンクを円滑に回すことと、 年明けの出品酒の傾向をつかむ目的もあり、 海底力を年内に仕込むようにしています。 加えて、出品用の純米酒などもあり、正月期間といえど気を抜けない状況です。 しかも、こういう時期に限って寒波が来る。蔵の中は激寒。 暖房を入れても、醪の品温はじわじわと下がっていきます。 仕込み初期はマットを巻いたり、電球を入れたりして「保温」を意識しますが、 この時期はそれでは追いつかず、「加温する」という感覚で温度を支えます。 一年の中でも、管理が難しい期間のひとつです。 そんな正月期間を乗り切った醪たちが、 年明けから徐々に搾りのタイミングを迎えています。 ここにきて、一斉に搾ってもいい状況に。 その中には、五色彩雲「Jiri」の原酒もあります。 今年の五色彩雲「Jiri」 今年はいくつか試験的なことを盛り込む予定でしたが、 直前で計画を変更しました。 当初は大きな障害にはならないだろうと思っていた点が、 調べれば調べるほどリスクが高く感じられたのです。 成功すれば大きな一歩。 ただし、失敗すれば意味がない。 そこで選んだのは、堅実に一段ずつ上がることでした。 ![]() 一年に一度しか仕込めない酒。 一度きりの酒質を守るという意味でも、 今回はチャレンジを見送る決断をしました。 以前のブログでも書いた通り、酒造りに「失敗」は許されません。 不安要素を抱えたまま突き進むより、 一番大きな変更点だけを外し、今年の仕込みを行いました。 結果として、いくつかの重要なデータを取ることができ、 さらに、焦らなかったことで構想をより深く掘り下げる時間も生まれました。 振り返れば、これはまさに「急がば回れ」だったのかもしれません。 仕込み前は、立ち止まることや進みが遅れることが怖かった。 けれど今は、待って正解だったと思えています。 一年という時間は悔やまれますが、 きっとその分、いいものにつながるはずです。 実は奥深いJiri 昨年9月に行われた「若手の夜明け」では、 各蔵が一本ずつ出品した酒を、 蔵元や杜氏同士で評価し合う機会がありました。 その中でいただいたコメントのひとつが、 「どうやって造っているのか気になる」という言葉。 Jiriは派手なお酒ではありませんが、 実は地味に技術の結晶です。 この仕込みは、他の蔵ではあまり見ないやり方だと思います (知らないだけかもしれませんが)。 部分的に似た考え方をしている蔵はあります。 ただ多くの場合、それは過去の文献や製法を 現代に再構築したもの。 私たちのやり方は、そこに依っていません。 ロジックを一度分解し、自分たちで組み立て直しています。 「なぜ過去の方法を使わないのか」と聞かれることもありますが、 使わない理由は明確です。狙いが違うから。 AshiriとNusamaiを造ってきたからこそ、Jiriにたどり着いた。 そしてJiriもまた、次のお酒へバトンを渡す存在です。 その先には、さらにステップを描いています。 すべてが出そろったとき、五色彩雲は完成する予定です。 今回、直前で見送ったのはJiriの“次のステージ”にあたる技術。 正直、これはかなり難しそうだぞ……と思っています(笑) ただ、理屈の上では可能。もう少し調べ、考えたいと思います。 ちなみにJiri自体も、まだステップアップの余地があります。 どうぞ、これからもお楽しみに。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |




