北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記 - 記事一覧
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| 発行日時 | 見出し |
|---|---|
| 2026.02.04 |
ちゃんと伝えたつもり、が一番危ない
伝えることの難しさ
伝えることの難しさを感じることってありませんか? 私自身、これまで伝えることで苦労したことばかりで、 そのたびに「どう言えばいいんだろう」と考えたり、 自分なりに工夫して説明したりしてきました。 特に、難しいことを説明するとき。 これが本当に難しい。 自分がちゃんと理解していないと、そもそも説明ができません。 機械の仕組みとか、発酵の仕組みとか。 分かっている“つもり”でも、いざ言葉にしようとすると全然ダメだったりします。 今回も、ライターさんに分かりやすく説明しようと思って、 かなり短縮して話しました。 噛み砕いたつもりだったんですが、結果的には 「ちょっと嘘を教えている」ような状態になってしまいました。 最初からきちんと説明すればよかったのに、 簡単に済まそうとした結果がこれです。 反省ですね。 一方で、最近「伝える」にかかわることで褒められた?ことがあります。 今年から醸造補助スタッフとして働きに来ている方に、 仕事の説明をしていたときのことです。 それを聞いていた別の社員が 「カズマさん、説明が丁寧ですね〜」と。 褒められたのか、 それとも「現場ではそんなに時間かけられないよ!」という意味だったのか(笑) そこは分かりませんが、このときは意識して、きちんと説明していました。 結局、やっていることは単純です。 とにかく話す。 伝わらなければ、違う単語を使た言葉で話す。 角度を変えて、もう一度話す。 「なんでこっちの言ってることが分からないんだ!」 となりそうなのをグッと我慢して、 自分には分かりやすくても、相手にとってはそうじゃないかもしれないな、 と考えるようにしています。 ……ただ、親にはこれができなくて(笑) 「なんで分からないの!?」ってなってしまうんですが、 これは完全に反省です。 社内の報連相でも、実は同じようなことがあります。 主語がない報告とか、 「○○でいいですか?」と前提を共有しているつもりの相談とか。 なんとなく分かることも多いんですが、 それって間違いの原因になりかねません。 相手の立場からすると、 「製造部長には前に伝えているから分かっているだろう」 と思うのも分かります。 でも、こちらは他の人とも話をしているし、 数字や条件までいちいち暗記しているわけでもない。 文章(メモ等)できちんともらった方がいいことも、正直あります。 先日書いた、 親の立ち位置・子の立ち位置の話とか、 報連相の仕方とか、報告書の書き方とか。 こういうことって、 ちゃんと教えてもらう機会、意外とないんですよね。 「これ、私が教えることなのかな?」 と思うこともありますが、 それができるようになった方がチームにとっていいなら、 きちんと説明するようにしています。 最初に丁寧に教えると、後々楽なんですよね。 自分で考えて動いてくれるようになるので。 あと、伝えることの難しさで言えば、 自社の商品やブランドのことをお客様に伝えるのも、なかなか大変です。 知ってもらうこと、認知してもらうこと。 それ自体が年々難しくなっている気がします。 製造部長という立場ですが、SNSでの発信もしています。 最近は動画を上げている蔵も多くて、 認知を上げなければ、 そもそも飲んでもらうきっかけすら作れないよな……と。 ただ、SNSの動画。 若い人は抵抗ないのかもしれませんが、 正直、おじさんにはハードルが高い。 撮って、編集して、その時間をどう作るか。 他の蔵の動画を見て 「かっこいいなぁ」と思いながら、 今朝は歯を磨きつつ、AIに 「どうしたらかっこいい動画が撮れるか」相談していました。 イメージはあるんです。 でも、なかなかね……という時点で年を取ったのかも。 そろそろ重い腰を上げないといけませんね。 まずは動画を撮る時間と、編集する時間を確保すること。 ロゴも入れたいし、音も大事だから、 ワイヤレスマイクも探してみようかな、と思っています。 伝えるって、本当に難しいですね。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.02.03 |
この蔵で働くと、どう育つのか
昨日は久々のお休みをいただきました。
冬場は数少ない休み、いつもいない父親なので 少しは存在感を出そうと幼稚園の外遊びに同行したり 午後は一緒にスケートに行ったり。 子供が子供のうちの短い期間を楽しませてもらった休日でした。 さて今日は、先日作業報告の返信で書いた内容を、 あらためてブログとして整理してみようと思います。 若い世代の中には「役職はいらない」と考える人がいます。 チーム福司にもそういう考えを持つ人はいますし、 正直それを“若い世代”と呼んでいいのかは微妙な年齢層になってきましたが(笑)。 理由を聞くと、多くは 「責任の重さと給料のバランスが合っていない」 つまり、コスパが悪いと感じているという話になります。 確かに、数字だけを見ればコスパは良くありません。 責任は増えるのに、報酬は劇的には変わらない。 初期段階では「期待されている」というプラス要素がある分、 なおさら割に合わないように見えるのだと思います。 それでも、将来の人生設計まで含めて考えると、 私は「役職はつけてもらった方がいい」と考えています。 一方で、世の中には 「役職だけがついている人」も存在します。 先ほどの「役職はいりません」という人は、 役職の重みや責任を理解した上で、あえて距離を取っている場合が多い。 ですが「役職だけついている人」は、 その自覚自体が薄いことがあり、 そこに気づいてもらうのはなかなか難しい。 中間管理職の立場にいる人の中には、 この点で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 今日は、そんな方に共有したい、 私自身が過去いちばん腑に落ちた考え方を紹介します。 仕事における役職や役割を考えるうえで、 一番わかりやすいのが「親と子の立ち位置」の例えです。 これは年齢や性格の話ではありません。 仕事の中で、どこに立っているのか。 そして、どの立ち位置を求められているのか。 それを考えるための話です。 子の立ち位置にいるとき、人はまず自分の仕事を最優先に考えます。 与えられた仕事をきちんとこなす。 ひとりでできることを増やす。 新しい仕事を任される。 これは新人や経験の浅い人にとって、 とても健全で、必要な姿勢です。 一方で、親の立ち位置に立つと、見える景色が変わります。 自分の仕事だけでなく、 周囲の進み具合や詰まりが自然と気になるようになる。 誰かが遅れること、うまくいかないことを前提に動くようになる。 ときには、自分の作業を後回しにしてでも、 全体が止まらないように手を打つ。 そんな判断が増えていきます。 どちらが正しい、という話ではありません。 ただ、経験を重ねるにつれて、 組織から求められる立ち位置は少しずつ変わっていきます。 問題なのは、 本人は無意識のまま「子の立ち位置」に留まり続けているのに、 周囲からは「自分のことしか見ていない人」に見えてしまうケースです。 本人に悪気はなく、 手を抜いているつもりもない。 それでも立ち位置のズレは、 少しずつ現場に歪みを生んでいきます。 大人になる、成長する、というのは、 仕事ができるようになることだけではありません。 自分のことを後回しにできる場面が増えること。 誰かの遅れを、自分の責任として引き受けられるようになること。 それが「子から親へ」立ち位置が移るということです。 これは優しさや人柄の問題ではありません。 仕事の中で、どこに立っているか。 そして、これからどこに立つことを期待されているか。 その認識を揃えるための仕組みが「役職」なのだと思います。 「○○長だから偉い」という話ではなく、 「みんなの親の立場なんだよ」ということ。 親であれば、 子どもが一人で何かをしていたら、 放っておくことはしないでしょう。 大丈夫かと声をかけ、 進み具合を確認し、 できていれば褒める。 できていなければ、なぜできなかったのかを一緒に考える。 後輩に仕事を任せて、 「お願いしたので私は知りません」 「その人に聞いてください」 ではなく、把握しておく。 たとえ順調に進んでいたとしても、 将来ミスにつながる可能性を考える。 それが親の立ち位置としての責任だと思っています。 チーム福司では、すべての人が 最初からこの考え方で動いているかと言えば、 正直そうではないと思います。 ただ、蔵には「醸し屋イズム」が根付いています。 自分が出来るようになったことは、次の人にも伝える。 急がせず、投げ出さず、熱心に、そして根気強く。 酒造りは一朝一夕で身につく仕事ではありません。 だからこそ、教える側も腰を据えて向き合います。 役職や年次に関係なく、 「次の人が困らないように動く」という姿勢が、 結果としてチームを支え、酒の品質を支えています。 もし酒造りの仕事に興味があり、 技術だけでなく、考え方も含めて学びたいと思うなら、 こういう現場もある、ということを知ってもらえたら嬉しいです。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.01.30 |
日本酒の酵母は、なぜこんなにも過酷な環境で働かされるのか
昨日は、吟醸系の醪がどれほど過酷な環境から始まるのか、
酵母にとって決して優しい条件ではない、という話を書きました。 今日はその続きとして、 日本酒酵母そのものの“スペック”について少し触れてみたいと思います。 実は、日本酒とワイン・ビールでは、 使われる酵母の性質にかなり差があります。 ワイン酵母は、他の微生物に負けないよう、 仕込みの段階で大量に投入されます。 日本酒の感覚で見ると 「そんなに入れるの?」と思うほどの圧倒的な量です。 数の力で環境を制圧する、というイメージですね。 一方、日本酒の酵母はというと—— これはもう、とてつもない戦士です。 めちゃくちゃ働き者で、とにかくタフ。 例えるなら、ランボーやダイ・ハードの主人公、 あるいはドラゴンボールのスーパーサイヤ人。 ワイン酵母なら 「もう無理、動けない」と音を上げる温度帯でも、 日本酒酵母は平然と活動を続けます。 糖の圧迫にも強く、 酒母の環境は、酵母にとって “地球の何倍もの重力がかかっている” と言ってもいいほどの負荷ですが、それでも動き続けます。 最終的には、自分自身が生み出したアルコールによって 多くの酵母は活動できなくなりますが、 日本酒の酵母はダメージを受けながらも、 最後まで仕事をやめません。 だからこそ—— 過酷な環境に置かれなければならないのです。 麹と酵母の関係 醪の中で、酵母の栄養源を担っているのが麹です。 麹が生み出す酵素によって澱粉が分解され、糖になり、 それを酵母が食べてアルコールをつくる。 この関係性が、日本酒の発酵の核です。 一般的な麹は「総破精(そうはぜ)」と呼ばれ、 効率よく澱粉を分解する形を目指します。 しかし、大吟醸クラスになると話は別。 「突き破精(つきはぜ)」と呼ばれる、 持続性を重視した麹を造ります。 つまり—— 一気に糖を出すのではなく、 ゆっくり、長く、溶かし続ける設計です。 その結果、酵母にとっての食料も 一気には与えられません。 酵母の物語 目の前には食材が山ほどある。 でも調理担当は、 少しずつしか料理を出してくれない。 そんなもどかしさの中で、 酵母たちは成長していきます。 過酷な環境、最小限の食料。 生きるか死ぬかの瀬戸際で、 なんとか生かされている状態。 そこから、ある時期を境に、 麹は少しずつ糖(食料)を供給し始めます。 「今までが嘘だったのか?」 と思うほど、はじめは敵対していた関係から 仲間になる映画の設定のよう。 酵母たちは半信半疑になりながらも、 ようやく未来に希望を見出す。 ——ところが。 ある一定の段階で、 再び環境は厳しさを増します。 品温は徐々に下げられ、 活動限界を探るかのように、 じわじわと追い込まれていく。 しかも今度は、 自分自身が生み出したアルコールにも 苦しめられながら。 こうして、醪の中で酵母たちは生きています。 自由に放牧された牛のような暮らしではなく、 苦しく、貧しく、制限された環境の中で。 手間暇をかけているのは確かですが、 同時にこれは 無数の生命が詰まった液体でもあります。 醪の中で、 どう生きてもらうか。 実はそれが、 味わいに直結している気がしています。 いつ判断し、 どこで手を加え、 どこで引くのか。 私はできるだけ、 酵母に無理をさせない造りをしたい。 どの時点から酵母が苦しいのか。 どの判断が、余計な負荷になるのか。 そんなことを考えながら、 毎日タンクと向き合っています。 酵母たちの生きざまは味に出ます。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.01.29 |
日本酒の発酵は、実はかなりスパルタ
無事に大吟醸酒の泊まり込み作業も今日で終了しました。
留仕込みの洗米も終え、明日いよいよ仕込みを行えば一段落。 あとは、もろみ管理にバトンが渡されます。 洗米担当から麹・酒母担当へ、 そして仕込みを経て、最終的に醪管理は醸し屋へ。 ここから約30日間、悩みながら判断を重ね、 自分なりの理想の形を探っていく時間が始まります。 大吟醸酒の醪管理には、大まかな目安があります。 最高品温はこのくらい。 糖化と発酵のバランスを見るBMD曲線はこの辺り。 ほかにも細かなポイントはありますが、 それらは「絶対」ではなく、あくまで参考程度に考えるべきものです。 同じ米を使っていても、その年ごとに性質は違います。 それなのに、全国共通で通用する“正解”があるはずがない。 あるのは「こういう傾向が出やすい」という統計的な話だけで、 それが自分の蔵に当てはまるかどうかは、また別の問題です。 結局のところ、 自分の蔵には、自分の蔵のやり方しかない。 米の品種も産地も精米歩合も違う。 だから私たちは、過去のデータの中から 「うまくいった年」と「そうでなかった年」を比較し、 自分たちの蔵の中での傾向を積み上げていくしかありません。 正直に言えば、 「これさえ押さえておけば絶対大丈夫」というポイントはありません(笑)。 だから不安は常にありますし、 それでも「きっと良い酒になる」と信じて管理していくしかないのです。 ところで、皆さんは吟醸酒が どんな環境で発酵していると思っていますか? 大事に大事に酵母を育て、 ストレスのない環境で造ることで、 きれいな味わいが生まれる—— そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。 放牧の牛のように、 広い場所でのびのび、ストレスフリーに育てています、というような。 ですが、大吟醸酒は…… 実はその真逆です。 今日は、そんな ストレスだらけの大吟醸酒のお話です。 日本酒は、世界の醸造酒の中でも珍しい 「並行複発酵」という方法で造られます。 ワインは、果実を搾り、その糖を発酵させる単発酵。 ビールは、麦芽で糖化液を作ってから発酵させる複発酵。 一方、日本酒は、 蒸米を溶かす糖化と、 酵母が糖を食べてアルコールを造る発酵が、 同時進行で行われます。 ビールやワインは、 発酵が始まる時点ですでに糖が用意されており、 酵母にとっては「食事がある快適な環境」からスタートします。 しかし日本酒は違います。 蒸米と麹が投入され、そこに酵母も加えられる。 「今から準備しますから、少し待っていて」と 言われているような状態です。 しかも大量の酵母に対して、 最初に与えられる食料はごくわずか。 お腹が空いてしまわないよう、 活動しにくい超低温環境に置かれます。 例えるなら、 冷蔵庫のようなコンテナに人をぎゅうぎゅうに詰め込み、 食料も水も最小限。 寒くて思うように動けない—— そんな状況から、日本酒の発酵は始まります。 ![]() 日本酒の低温発酵は、低いところで5〜6℃。 一方、ワインで「低温発酵」と言われるのは12℃前後。 12℃というと、日本酒では最高品温になることもあります。 それだけ、日本酒の発酵環境が いかに厳しい設定なのかが分かると思います。 では、 この過酷な環境の中で、 日本酒はどのように発酵していくのか。 続きは、また明日。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.01.28 |
泊まり込みの朝に得られること
皆さんは、学びの時間をどうやって作っていますか?
大人になり、年を重ねるにつれて、 まとまった勉強時間を確保するのは難しくなってきます。 むしろ勉強最近してないなってなっていませんか? 醸し屋もそうなって全国の酒蔵さんに置いて行かれないように 最近はポッドキャストなどを使い、 「ながら時間」で少しでも耳から学ぶようにしています。 とはいえ、まとまった時間はなかなか取れませんよね。 田中角栄は「時間の使い方」について、こんな言葉を残しています。 (田中角栄押しではないですが) ・「政治家にとって最大の資本は時間だ」 ・「人より働き、人より考え、人より早く決断しろ」 ・「寝ている時間以外は、すべて仕事の時間だと思え」 そんな数々の角栄語録の中には 「仕事が終わったあとにダラダラ酒を飲む時間があるなら、 人に会え、本を読め、考えろ」という言葉があります。 この言葉は角栄が日ごろ言っていた言葉だそうで 向上心を持っていればそうするのがいいのはわかります。 でも酒を造っている人間からすると 「余計なことを言うなよ」と思わなくもありませんが(笑) 人より前に出るためには、 そうやって自分の時間を使う覚悟が必要なのでしょう。 私はというと、 晩酌くらいしか楽しみがないので、 酒造りの期間中も夕食と一緒に酒を飲む習慣はあります。 ただ、今の大吟醸の泊り時期は 学びの時間を作れるチャンスでもあります。 泊まり込みでは、夜中や朝方など、 数時間おきに起きて温度管理を行います。 当然、睡眠は削られます。 その代わり、出勤という概念がなくなります。 (蔵にいるから。) 身支度や通勤時間がない分、 意外とまとまった時間が生まれるのです。 でも、そこでただ寝てしまうのはもったいない。 いつもなら準備や移動に使っている時間を 学びの時間に充てるようにしています。 家で起きる時間に起きて、 酒に関するポッドキャストを聞きながら、 原稿の執筆や取材記事の修正。 新商品の企画を練ったり、 必要な情報を集めたり。 酒を造ること以外の仕事の時間に充てる。 今やらなければいけない大吟醸の仕込みから 一度頭を離すことで気分転換にもなりますし、 「大吟醸があるから」と思考を停滞させるのではなく、 むしろ他の蔵に追いつくためのチャンスだと思っています。 AIの発展で、思考の整理は驚くほど早くなりました。 そして朝というゴールデンタイム。 ボーッと過ごすには、あまりにも惜しい時間です。 朝考えたことを、 昼間の空き時間で実行し、 来年の仕込みに役立てるためのデータを取る。 今シーズン、鑑評会に出品する予定だった純米酒も、 ギリギリの段階で方向性を変更しました。 ステップアップのために挑戦しようとしていましたが、 リスクが大きいと判断し、立ち止まることを選択。 では、本来やりたかったことを 来年実現するためには何が必要か。 こういった時間を活用しもう少し勉強して、 きちんとした裏付けを取る必要があります。 はじめから成功することなんてありません。 確証が見えてくるまでは、 とにかくシミュレーション。 来シーズン、 今考えている仕込みで 一本仕込めたら——と思っています。 来年こそ、挑戦したい壁です。 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |



