北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記 - 記事一覧
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| 発行日時 | 見出し |
|---|---|
| 2026.04.30 |
来てもらえる蔵と、届きやすい酒
早い方だとすでにGWに入っているのかと思います
ありがたいことに、弊社の狭い狭い直売店にも パラパラとお客様がお越しくださっていました。 製造部の作業をしていると原料処理を行う部屋から 車の出入りが見えます。 蔵開きの時もそうでしたが 以前よりも少しだけ蔵に来てくれている人が増えた気がします 何らかの影響が出ているのかもしれません。 醸し屋が入社したころは今ある直売店の場所に 直売店とは言えない直売店がありました。 その部屋は直売店とは呼ばれていなく 蔵に来た人が「お酒はここで買えますか?」と聞かれた場合通す部屋 並べられたサンプル瓶から指定していただいたものを 倉庫から持ってきて販売する場所でした。 そこから直売店としての形にしていったのですが 当時はほとんど人は来なかったですね(笑) それが今では平日でもちょこちょこ人が来ます。 でも直売店専属の社員はいなく、今は事務員が対応したり 休日は社員で当番制にしている状況。 いずれは直売店が1つの観光地になればいいなと思っています。 そうなるためにはちょっと狭いんですがね。 そうそう前回の話の中の流通の件ですが 広大な土地に人がばらけて住んでいるという 国内でも珍しい居住地域です そのため流通は直接的なやり取りではなく 流通の役割を担う仕事が発展します。 それが卸問屋さんです。 お酒も酒蔵が配達するには距離が遠いため そのほかの食品と一緒に卸問屋さんにお願いして 各地域のお店へと流通させていきました。 今でもその形が主なので 北海道の酒蔵は卸問屋さん経由でお酒を販売しています。 こうなれば地酒に特化した酒屋さんは北海道のお酒では 差別化が難しくなり、地域外の直流通などのお酒を取り扱います そういう流れもあり、北海道のお酒がコアな日本酒層への アプローチが難しいという時代が長かったです。 しかし近年は流通を限定することでコア層向けの商品と 一般流通の商品を差別化するという取り組みをしています。 そこら辺の区分方法は各メーカーそれぞれです。 弊社ですと、福司ブランドと五色彩雲ブランドのように 差別化をしてすみわけをしているところ。 ただ五色彩雲は極端な振り方なので もっと気軽に飲める設計も必要だなと感じています。 醸し屋の中でも、ここには葛藤があります。 五色彩雲は、説明すれば面白い酒です。 ただ、説明しないと伝わりにくい酒でもあります。 それはそれで大事な個性なのですが、 もう少し手に取りやすく、 飲む前からストンと腑に落ちる形も必要なのではないか。 難しいことを、難しいまま出すのではなく、 ちゃんと伝わる形にする。 その着地点を、今探しています。 もう少し考えてみます。 ▼▼▼ Noteでの記事もよかったら読んでみてください。 ![]() 五色彩雲、再編。|五色彩雲(ゴシキノクモ) ![]() 北海道は日本酒のフロンティア|五色彩雲(ゴシキノクモ) 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.04.28 |
皆造のあとに始まる仕事
早い人ですともうGWになるのでしょうか?
GWの直売店限定酒の斗瓶取りは2日より販売開始です。 その前に釧路に来る方はごめんなさい。 さて火入れも目前。 そして今シーズンの仕込みももう少しで皆造(かいぞう)となります。 皆造は仕込みのすべてが終わること。 ここからは造りとしてはシーズンOFFです。 が、逆に商品の開発や構想 また販売促進のための活動などはシーズンに入ります。 本当に陰と陽というか、やることがガラッと変わります。 OFFをOFFとして過ごしてしまえば 長い氷河期に突入。再度火を入れることが困難になります。 以前札幌の酒屋さんに鉄は熱いうちに打てと言われました。 とにかく熱が高まっているうちは灯を絶やさぬように そしてじわじわと広がるように活動をしていく。 東京方面に商品を出すようになり少しずつお取扱い先も増えてい入るものの まだまだ認知度は上がりません。 情報の伝達であったり人の往来であったり そういったものがやはり北海道は他の地域に比べると 距離があると感じます。 今年もdancyuさんの紹介する酒屋さんに北海道は一軒も紹介されていませんでした。 北海道では道外のお酒は流通しているのですが 道外に行けば本当に認知度が低い。 九州に行けば九州の酒をお取扱いしている酒屋さんや 飲食店さんは多く感じます。 地域外の人の往来が多いからなのかもしれません。 北海道はどちらかというと道産種の割合が低いと言われているんですよね 北海道以内の日本酒の消費量のうち 道内産のお酒の消費量は20%程度と言われています。 それだけ道内の酒よりも道外の酒の方が流通しています。 そこには北海道の酒造メーカーのこれまでの歴史もありますし そこのカタチになった経緯もあります。 北海道は日本の国土の22%を占めています。それだけ広い。 「ほっかいどうはでっかいどう」なんてよく聞きますよね。 その国土の22%の広さに日本の人口の何%が住んでいるのか? 4%です。 残りの78%の土地に96%の人口が集まっているのです。 土地に対する人口の割合で考えると超過疎地ですね 北海道の人口の4割が札幌に集中。 これだけの広い土地に人がばらばらと住んでいるのですから その他の地域と流通の仕組みが異なります。 だからこそお酒の販売形態も異なりますし 米の購入ルートも異なるという 北海道は日本の中のガラパゴスのような状況で 独自の形態で成り立っているのです。 きっと北海道のお酒が地域外になかなか出ていかないのも この特殊な形態にあるのかもしれません。 おっと、お迎えに行かなきゃいけない時間なので今日はこの辺で。 ▼▼▼ Noteでの記事もよかったら読んでみてください。 ![]() 五色彩雲、再編。|五色彩雲(ゴシキノクモ) ![]() 北海道は日本酒のフロンティア|五色彩雲(ゴシキノクモ) 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.04.27 |
“作業者”から“設計者”へ
経済産業省が出している
「2040年の就業構造推計(改訂版)」という資料が話題になっていました。 2040年には、大卒・院卒の文系人材が約76万人余剰、 一方で理系は124万人不足する見込みとのこと。 原因の一つはAIによる事務作業の自動化。 そこから出てくるのが、スキルと産業ニーズのズレ。 いわゆるミスマッチですね。 企業側が欲しいのは、 専門性がある人 複合的に動ける人(技術もあるし発信もできるとか) あとは即戦力か、学ぶ意欲がある人 ただ実際はどうかというと、 幅広く知識はあるけど どこでも使えそうで、どこでも決め手にならない そんな人材が多いとも言われています。 海外みたいにインターンがしっかり機能しているわけでもないので、 実際に働いたことがないまま社会に出るケースも多い。 以前、人事の方が 「GW明けにちゃんと来てくれるか不安」って話していたのが印象的でした。 売り手市場と言われているけど、 現場では普通にミスマッチが起きている。 じゃあ酒蔵はどうなのか。 昔であれば やる気あります 酒が好きです 体力あります これで採用、みたいな時代もありました。 (今でも揃ってたらありがたいですけど) ただ、これからはそれだけでは厳しいと思っています。 必要なのは、 発酵を理解できる 仮説を立てられる ブランドを語れる つまり、作業をする人ではなくて 設計できる側の人間。 人口は減っているのに、やることは増えている。 そうなると、一人で複数の役割を持つ必要が出てくる。 大谷翔平じゃないですけど、二刀流が当たり前。 むしろ二刀流じゃ足りないかもしれません。 実際、ベンチャー型の酒蔵を見ると 少人数で回していて、みんな複数の役割を持っています。 福司でも同じで、 製造部のメンバーに 酒造りだけじゃなくて 五色彩雲の営業 PR 在庫管理 こういう部分も少しずつお願いしています。 これからの時代、求められるのは “職人”だけではないと思っています。 一人ひとりが 考えて、設計して、動ける人材。 その中で一番大事だと思っているのが、 「体系的に学べるかどうか」と 「主体的に動けるかどうか」。 これは学歴の話ではなくて、 自分で問いを持てるか ちゃんと自分と向き合えるか そこなんじゃないかなと思っています。 どうせなら、ワクワクしながら仕事したいですし、 そういう人たちと仕事がしたい。 チーム福司がそういう場所になれるかどうか。 あるいは、そういう場所だと認識してもらえるか。 そこがこれからの酒蔵にとって、 意外と一番大事なことなのかもしれません。 ▼▼▼ Noteでの記事もよかったら読んでみてください。 ![]() 五色彩雲、再編。|五色彩雲(ゴシキノクモ) ![]() 北海道は日本酒のフロンティア|五色彩雲(ゴシキノクモ) 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.04.24 |
書き続けて見えてきた、ブログとNoteの違い
「1万時間の法則」ってご存じでしょうか。
作家の マルコム・グラッドウェル が著書『Outliers』の中で紹介し、 アンダース・エリクソン の研究をもとにした考え方です。 「とにかく1万時間やれば一流になる」 そんな話として有名ですね。 このブログを書き続けて、もう17年くらいになります。 仮に平日毎日、1日1時間書いているとすると 年間で約260時間。 それを17年続けても、約4,400時間。 1万時間には届いていません(笑) ただ、Noteや資料、提出書類なども含めると、 それなりに文章には時間を使ってきました。 そのおかげか、 文章を書くこと自体は苦ではなくなっています。 多くの蔵は、動画や写真で発信しています。 その方が拡散力は圧倒的に高い。 一方で、私は文章を選んでいます。 正直、拡散力は低いです。 影響力も大きくはない。 でもその代わりに、 一つ得ているものがあります。 それが「時間に耐える資産」です。 検索で見つかり、 後から読まれても意味がある。 そしてもう一つ。 文章を書くという行為は、 自分の曖昧な判断を言語化する作業でもあります。 なんとなくやっていることが、 説明できるものに変わる。 これが意外と役に立つのが、質疑応答です。 質問に対して、 より精度の高い返答ができる。 場合によっては、 相手が聞きたいであろうことを先回りして答えることもできる。 昔は絵を描くのも好きでした。 見たままを描くのって難しいですよね。 上手な人は、それを正確に捉えて、 さらに相手に伝わる形にアレンジする。 言葉もそれに近い感覚です。 もちろん、言葉のプロには到底かないません。 あくまで「少し得意」くらいのレベルです。 でもそれでも、 福司や五色彩雲のことを伝える手段としては十分だと思っています。 どうしたら伝わるのか。 どうしたら誤解なく届くのか。 そのために、文章を書いています。 このブログは、日常を伝える場所です。 意味よりも、現場の温度を残す場所。 一方でNoteは違います。 テーマを持ち、意味を持たせて書く場所です。 誰に、何を伝えるのか。 そしてどうやって、 一緒に動いてくれる人を増やすのか。 最近思うのは、 単に飲み手を増やすのではなく、 「共犯者を増やすこと」 これが一番大事なのではないか、ということです。 ▼▼▼ Noteでの記事もよかったら読んでみてください。 ![]() 五色彩雲、再編。|五色彩雲(ゴシキノクモ) ![]() 北海道は日本酒のフロンティア|五色彩雲(ゴシキノクモ) 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |
| 2026.04.23 |
「再編」の裏話と、共犯者募集。
五色彩雲のNoteで「再編」の話を書きました。
その中で自社乳酸菌の分離についても触れていますが、 今日はその部分を少しだけ書いてみようと思います。 その話をするうえで話さなければいけないのがJiriのこと。 Jiriの構想が出てきた当初、 乳酸菌の分離はすでに視野に入っていました。 ただ当時は、まずやるべきことがありました。 一番シンプルな構成で、 自分たちの軸となる低アルのイメージの味をつくること。 そしてそれが、酒としてどう表現されるのかを確認すること。 それが1年目、白麹のみで表現したJiriです。 これはこれで成立はしていました。 ただ、もう一段階、 複雑な旨味が必要だと感じます。 そこで2年目から、 乳酸菌の活用に踏み込みます。 いきなり分離ではなく、 まずは市販の醸造用乳酸菌を使った検証から。 入れることで何が変わるのか。 入れないものと比較して、本当に意味があるのか。 ここを見ずに分離してしまうと、 ただの自己満足で終わってしまう。 そうならないように、段階を踏みました。 並行して分離の準備も進めていましたが、 実際に難しいのは「分離」ではありません。 問題はその後です。 分離した菌が酒造りに適しているのか。 有害なものを生成しないか。 この評価と遺伝子解析は、 私たちだけではできません。 実はこれを受けてくれる研究機関が、 北海道ではなかなか見つかりませんでした。 何度も話をして、断られ、 どうにか昨年、ようやく実現。 その結果、 蔵由来の乳酸菌を3種類選抜し、保存しています。 2年目のJiriで、 乳酸菌を使うことの有用性は見えてきました。 もしダメでも、 酸基醴酛(さんきあまざけもと)として使うという 保険も考えていました。 米・米麹・水で甘酒状のものを作り、 培養乳酸菌を添加する手法。 速醸に近いが、乳酸菌発酵を伴うため 生酛的な側面も持つ。 いわば「速醸寄りの生酛」といった立ち位置です。 ただし、福司はこのやり方をそのままは採用していません。 同じ乳酸菌添加でも、 自分たちでロジックを組み直しています。 既存の手法の延長ではなく、 生酛的な発想を持ちながら、 速醸として成立させる設計。 正直、説明すると分かりにくいので あまり表には出していません(笑) でもここが、自分たちの技術的価値になる部分だと思っています。 そしてJiriの構想は、まだ先があります。 今、その先に行けるかどうかを模索している段階です。 しかもその先は一つではなく、 二つに分岐しています。 一つは、五色彩雲の「5色目」につながる世界。 そしてもう一つは……これはまたいずれ。 Ashiriで試した技術も、まだ改良の余地あり。 偶然なのか、再現性があるのか。 仮説を立てて、検証していく。 その繰り返しです。 こうした取り組みを形にするには、 最終的に「飲んでもらう」しかありません。 どれだけ良いものができても、 売れなければ次ができない。 だから五色彩雲は、 製造部が自ら売っています。 もしこのブログを読んでくださっている酒販店の方で、 一緒にこのブランドを育ててもいいと思っていただける方がいれば、 ぜひブランドページからお問い合わせください。 一緒に北海道の酒の価値を上げていく「共犯者」、募集中です。 お酒づくりから関わる共犯者も歓迎です(笑) 悪いことをするわけではありませんが、 一人ではできないことをやるには、 仲間が必要なので。 ▼▼▼ Noteでの記事もよかったら読んでみてください。 ![]() 五色彩雲、再編。|五色彩雲(ゴシキノクモ) ![]() 北海道は日本酒のフロンティア|五色彩雲(ゴシキノクモ) 」」」」」」」」」」」」」 SNS情報 」」」」」」」」」」」」」」 ● 福司酒造 製造部(公式)Twitter: @fukutsukasa_ ● 醸し屋のInstagram : @fukutsukasa.kazuma ■五色彩雲ブランドページ URL:https://goshiki-no-kumo.com/ ■五色彩雲Noteページ URL:https://note.com/goshiki_no_kumo ![]() ■ 採用情報はコチラから 五色彩雲シリーズのお取り扱い店舗はコチラからどうぞ。 |




